ミシュラン星付き料理人を起用したふるさと納税返礼品の商品開発

プロデュース マッチング

[クライアント] 京丹後市
[実施期間] 2021-2023年度

アールイーでは、食に関わる産業に特化した商品開発・サービス開発のプロデュースを提供しています。市場のニーズを捉え、消費者の心を掴む革新的な食関連商品やサービスを生み出すことで、食品メーカー、飲食業、農業生産者から食品卸まで、食に携わる幅広い事業者の夢を形にすることを目指しています。

2021年度から2023年度まで行った京都府京丹後市との取り組みでは、都市部の料理人や食のプロを京丹後市に招へいし、産地の姿や環境、地元の人々にふれるなかから新しい商品開発を実施しました。

京丹後市の目的とは?

京丹後産食材の認知向上や生産者等の販路拡大

京都府丹後半島の北端、日本海に面して海と山に囲まれた京丹後市は、一次産業が盛んなエリアです。都市部の人々の毎日の食卓を支える大規模生産の農家さんから、多品種小規模で希少な食材を育てる農家さんまで、多様な人たちが一次産業に携わっています。

アールイーがしたこと

実施期間 2021~2023年度
・令和3年度(2021)|京丹後産食材ブランド創造事業業
・令和4年度(2022)|京丹後産食のふるさとづくり創造事業
・令和5年度(2023)|京丹後食のふるさとづくり事業

上記事業の一部を株式会社ジェイアール東日本企画様とともに行いました。

①ふるさと納税返礼品の商品開発
・地元事業者と共創した商品開発
・都市部飲食店の食事券販売
②都内飲食店で京丹後市食材フェアの開催
③都市部料理人を招くための視察先の整備

➃料理人による京丹後産食材を活用したレシピ集

開発した商品

①ふるさと納税返礼品

京丹後市では、地域経済の活性化を目的に、ふるさと納税の2018 年度の寄附受入額(約 2億4,800万円)から、2023 年度までに 10 倍の 30 億円(企業・団体からの寄附金を含む)を目指す「ふるさと納税 10 倍プロジェクト」を実施していました。 

アールイーは、ふるさと納税返礼品の商品開発を中心に行いました。京丹後市内生産者と料理人、専門家を招いて交流会や産地見学を行い、企画から試作品づくり、試食会など試行錯誤を経て返礼品の新商品を完成させました。

地元事業者と共創した商品開発(2022年度)

「日本海牧場のすき焼きセット(京たんくろ和牛)」
販売業者:日本海牧場(網野町)
「京丹後産ジビエのすきやき風鍋(鹿肉とすきやきのタレのセット)」
販売業者:日本インパクト株式会社(峰山町) 
「京丹後の和ジェラートセット(6個入り) 」
販売業者:野村牧場(網野町)
「日本海産松葉ガニ(600g級)焼きガニ用加工済」
販売業者:橘商店(網野町)
「京都丹後クラフトビール晩酌セット」
販売業者:株式会社丹後王国ブルワリー(弥栄町) ほか

都市部飲食店の食事券造成

「アルシミスト」(東京・白金台、フランス料理) ミシュランガイド東京 一つ星
「AUBE」*(大阪市、中国料理)
「CAINOYA」(京都、イノベーティブ)
「クラージュ」*(東京・麻布十番、フランス料理) 「ゴ・エ・ミヨ2022」期待の若手シェフ賞
「乃木坂しん」**(東京・乃木坂、日本料理) ミシュランガイド東京 一つ星
「福田家」*(東京・紀尾井町、日本料理) ミシュランガイド東京 一つ星
「銀座 飛雁閣」(東京・銀座、中国料理)
「Restaurant TOYO Tokyo」*(東京・日比谷、フランス料理)
「Restaurant MOTOI」(京都市、フランス料理)ミシュランガイド京都・大阪 一つ星
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「魚菜料理 縄屋」(京丹後市、日本料理)

取扱業者:丹後地域地場産業振興センター(アミティ丹後)

*=2022、2023年度実施店 **=2021~2023年度実施店

②都内飲食店で京丹後市食材フェアの開催(2022年度)

市内生産者・企業などとシェフやパティシエを含む食の専門家が交流する機会を京丹後市内で設け、実際に産地も見学したうえで、京丹後市産の食材を活用したメニューを開発を行い、首都圏を中心にした店舗で販売するメニューフェアを実施しました。

主な実施店舗
株式会社グラナダ
「Plazzo San Gusto(パラッツォサングスト)」ほか
株式会社オールウェイズ
「日本再生酒場新宿三丁目店」ほか
株式会社フードキャッチ
「牡蠣x海老かいり渋谷店」ほか
株式会社DressCircle
「日本酒と牡蠣…時々おでんBACHIYA調布店」ほか
株式会社バルニバービー
「Pizzeria e torattoria AD`ACCHIO」ほか
株式会社FLS
「カンティーナシチリアーナ」
株式会社YM商店
「NIKUMAKI YASAI ベジつつむ」ほか

③都市部料理人を招くための視察先の整備(2023年度)

都市部の高級店のシェフや料理人が京丹後市を食材探訪の地として季節ごとに市内の農林水産業事業者を巡り関係性を築いていくことで、希少食材の産地としてのブランディングを図ることを目指した産地訪問提案の冊子「Kyotango Chef’s CAMP」を制作しました。

なお冊子制作の監修には、京丹後市内の日本料理店「魚菜料理 縄屋」の吉岡幸宣さんにお願いしました。

➃料理人による京丹後産食材を活用したレシピ集(2021年度)

一流料理人に京丹後産食材をメインにお近くのスーパーなどでも入手可能な食材を使って、家庭でも再現可能なレシピの開発をしてもらいました。

アールイーの強み

今回の取り組みでは、具体的には京丹後市内の農業生産者の食材を集めて、都市部の料理人や食の専門家を招き、地元の食品メーカーと共同で商品、サービスを開発しました。これまでアールイーが続けてきた都市と地方を食でつなぐコンサルティング事業や、地元の農業生産者と食品メーカー、飲食業者のマッチング事業を行ってきた強みを活かすことができました。

なお、令和4年度(2022)の京丹後市のふるさと納税額は、15億929百万円で前年度比63%増と過去最高で、府内で3番目に多い納税額になりました。京丹後市にはズワイガニや牛肉、クラフトビールなど魅力的な返礼品が多く、私たちの取り組みは成果のごく一部ではありますが、当初の京丹後市が掲げていた「ふるさと納税 10 倍プロジェクト」の実現の一助になれたのではないかと考えています。

また、ふるさと納税返礼品の開発などで都市部から料理人を京丹後市に招いたことが料理人にとっての貴重な食材との出会いの場になり、つねに良い食材を探し求める料理人のニーズにマッチしたものでもありました。一方で、京丹後市の生産者にとっても人気店や志の高い

料理人やシェフとの交流が刺激になったといい、数字には表わすことはできないが、良い商品を作り続ける地域のモチベーションアップにも繋がりました。

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