2025.10.02 Column & Interview

立川市果実品評会を見学してきました

9月9日に立川市役所内にある多目的プラザで開催された「令和7年度 立川市果実品評会」を見学してきました。

東京都内では各自治体で品評会が行われています。 東京都農業振興事務所の職員など3名が審査員になり、自治体内の生産者が出品した果実の品評を行いました。

この日は、立川市内の生産者から17点の果実が品評会に出品され、品目は、ナシ、ブドウ、イチジクでした。各賞受賞は以下の通りです。

立川市品評会受賞者一覧

授賞名品目品種受賞者
立川市長賞ナシ豊水中嶋 和義
立川市議会議長賞ブドウシャインマスカット髙橋 尚寛
立川農業振興会議会長賞ナシ豊水鈴木 利香
立川市農業委員会会長賞ナシ幸水中嶋 和義
東京みどり農業協同組合代表理事組合長賞イチジク桝井ドーフィン髙橋 尚寛
全国農業協同組合連合会東京都本部本部長賞ナシ稲城髙橋 尚寛
優秀賞ナシ幸水中嶋 和義
優秀賞ナシ豊水中嶋 和義
優秀賞ナシ豊水中嶋 和義
優秀賞イチジク桝井ドーフィン髙橋 和義
優秀賞ナシ豊水鈴木 博秀
優秀賞ナシ豊水鈴木 和子

立川市の品評会は、生産者の栽培や選定技術の向上のために行われているものです。果実の外観から大きさや形、色合いなどから熟度などを評価していきます。

東京都で収穫される果樹は、市場出荷が少なく地域での消費が多いのが特徴です。産地と消費地が近いことで流通による移動時間がほとんどなく輸送時間に追熟が進むこともありません。そのため東京都の果実は「採ってすぐに食べておいしい」状態で収穫することが重要なため、他の産地とは異なる選定技術が求められています。

審査では、こうした特徴を背景に果実の完熟の観点が審査に盛り込まれているという話しが興味深かったです。

なお、公式記録が見つかっていないものの、30年から40年前から続くものだといいます。例年、市内の主要栽培果実のひとつであるナシを中心にブドウやイチジク、ブルーベリーが出品されてきましたが、今年度は出品数や品目が減少していました。

立川市農業振興課の丸山浩史さんによると、近年の夏の高温化によって収穫時期が前倒しになっていきているとのこと。「例年、9月初旬に行ってきた品評会を、来年度以降は8月末に開催時期を変更するなど検討しないといけません」と話します。

授賞された生産者のみなさま、おめでとうございます!

なお、特別賞を受賞した6点の果実は当日多目的プラザで展示され、他の出品物とともに一般来場者に向けて販売をしました。販売時間前に整理券が配られるなど、品評会の受賞品を購入したいという人が多く、認知度の高さがうかがえました。

さらに、西側テラスでは立川市果樹組合、立川市農業技術振興会による直売会が同時開催され、こちらにもたくさんの方が地域の産品を購入していました。立川市の市民と農業の近さを物語る印象的なシーンでした。

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